奨学生の声

Voice

2019年度 海外留学支援奨学生 松生恒さん

シンガポール南洋理工大学(Nanyang Technological University)/シンガポール
シンガポールでの挑戦の記録

こんにちは。第17期海外留学支援奨学生の、国際教養大学・松生恒(まつしょうわたる)と申します。私は2019年8月より1年間、シンガポール・南洋理工大学にて交換留学しておりました。留学の目的は、「東南アジアの”熱気”を感じ、ビジネスについて学ぶこと」。秋田での平穏(?)な大学生活を抜け出し、東南アジアを舞台に多くの挑戦を重ねてきました。留学という貴重な機会を通じ、私は何を感じ、どう成長したのか。拙筆ながら私の留学体験について、「挑戦」をテーマにお伝えしたいと思います。シンプルに時系列にて記述致しましたので、御笑覧頂けると幸いです。

地元のミュージシャンとの交流

シンガポールの音楽家と出会いギターを譲り受けた。高校から続けているギターを留学先でも続けようと、地元の掲示板で連絡を取った。彼はバイオリンなども演奏する、インドネシア系のシンガポール国民とのこと。その後私はこのギターを使い、大学寮でジャムバンドの活動に参加した。

新たな友人
松生恒さん

シンガポール人の友人が、実家に招待してくれた。中心部のHDB(国営住宅)でお母さんと暮らしているそうだ。チキンや卵の料理など、郷土料理を振る舞ってくれた。ドリアンのケーキはなかなか斬新だったが。。新卒では就職先を見つけるのが大変難しいこと、2年間の兵役では警察官として専らデスクワークをしていた話が印象的だった。

右の写真の彼は、シンガポールで一番最初にできた友人だった。彼がアルバイトをしていたビール工場に工場見学へ行った時、意気投合。仲良くなった。

授業でできた仲間

一学期受講した4つの授業のうち、「21世紀のマーケティング」で出会ったクラスメイト。3人ともスウェーデンの同じ大学から来た学生で、私を含めた4人でチームを組み、リサーチとプレゼンテーションを行った。火星への移住計画を軸に、市場規模や参入プラン等を検討。全く新しい内容を考える過程で大変仲が深まった、大事な仲間になった。

インターンシップの実施

(1)弁護士事務所
シンガポール・ラッフルズプレイスの弁護士事務所にて、5ヶ月間のインターンを実施した。法律は全くの専門外だったが、私が志す経営者には必須の素養であると考え、応募した。仕事内容は、現地に在住する日本人向けの、シンガポール法のリサーチと翻訳。刑法、離婚、相続、信託など広範な領域に触れることができた。また、契約書のレビューや事務所のマーケティング戦略立案等に関わる機会も頂き、実務に関わる貴重な経験となった。ここで学んだのは、「実力がなければ全く相手にされない」ということ。認めてもらうため、独学で積極的に知識を吸収するよう心がけた。英語のスキルも、このインターンで圧倒的に伸びたと感じる。

(2)コンサルティング会社
アメリカの経営コンサルティング会社にて、3日間のインターンを実施した。シンガポールで選考を受け、東京で勤務した。これが私にとって人生初のインターンであり、なおかつ多くのものを得た経験だった。取り組んだのは、テクノロジーを活用した新規事業提案。顧客の目指す姿と現状を把握し、その差分にどう技術を活用できるかを4人グループで考えた。

顧客の経営課題解決を通じ、世界をより良くできる仕事だと感じたのをよく覚えている。これを機に、私はビジネスについてより興味を持つようになった。

アジア各国への旅行
松生恒さん

インドネシア、マレーシア、タイ、インド、ベトナム、ネパールの6カ国に旅行した。ここでの目的は、それぞれの国の文化や人々を知ること。そのために、私はルールを決めていた。それは、現地で必ず誰かと仲良くなること。カトマンズではインチキタクシー運転手に出会ったりもしたが、ゲストハウスの主人、ローカル食堂で隣席になった旅人、バーで出会った

ビジネスマンなど、多くの友人をつくることができた。ここで学んだのは、ありきたりではあるが「友情に国境はない」ということだ。国の経済状況や言語が違っていても、人々は皆愛する家族のために懸命に働いていたり、夢を追いかけていたり。

人間の根幹は皆同じであるということを、改めて実感した経験となった。写真は、インド・アグラの子供たちと、ネパール・カトマンズの街中、インド・チェンナイのカレー屋さん、ベトナム・ハノイで出会った韓国と日本の学生と。

今思い返してみても、貴財団のご支援がなければ、私の留学は到底達成できませんでした。多大なるご支援を頂いたことに、重ねて御礼申し上げます。頂いた恩を忘れず、今度は私が社会に貢献できるよう精進したいと思います。ありがとうございました。

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