奨学生の声

Voice

2019年度 海外留学支援奨学生 大窪秀彰さん

ラモンリュイ大学(Universitat Ramon Llull)/スペイン
留学体験記
大窪秀彰さん

3月ですが、欧州の中でもコロナの影響が大変強かったバルセロナで認め、3月初旬から学校側がオンライン、オフラインに切り替えをするのか否かということが学校で叫ばれておりました。その果て、3月末からオンライン授業へと切り替えが決断され、7月初旬までありました授業まで全てがオンライン受講を余儀なくされました。クラスメートが世界各地の実家に帰るという状況が数多く見られ、時差が何時間もある状態で授業のグループワークであったりをこなさなければいけず、大変非常に難しい学生生活となりました。また、滞在して居たアパートを出なければいけず、生活が今までゆとりのあった状態から激変し、非常にドタバタの数ヶ月となりました。

学校の授業に関してですが、3月以降ファイナンスからデジタルマーケティングといった、抽象的な内容から実際に自身で手を使ってウェブの広告宣伝を作っていくといった授業をオンラインにて、おしなべて学ぶことが出来ました。また、授業以外では、グループワーク等で、多国籍集団の中での立ち回り方ということもうまく学ぶことが出来たと考えております。

上記の中で、大きく2つのハイライトがありましたため、以下にて詳細を記させていただきます。

1点目は、4ヶ月に渡ったI2Pという学んでいたコースの目玉授業であったものを、クラス最高成績で授業を終えられたことがあります。以前の報告書でも少しだけ触れましたが、I2Pというのは、学校からアサインされた企業へのイノベーション・コンサルティングをするというもので、私が行ったのは、ドイツ最大の保険企業へイノーべション・コンサルティングをするというプロジェクトでした。最終成果物としては、環境・精神衛生を助長するオンライン・アプリケーションの提案を最終報告会でクライアントに発表しました(保険会社に対して、環境衛生を助長する新しいビジネスを考えるということを前提にしてくださいとの要望を受けた上。)言葉だけで表すと非常にわかりにくい内容かと存じておりますため、最終成果物が見れますリンクを以下にて共有させて頂きましたので、ご覧ください。(https://vimeo.com/425115147)

プロジェクトはコロナの影響もあり、全てオンラインで行われました。チームメートが南米に滞在していたことなどがあり、大きな時差がある中、12時間以上に及ぶミーティングをこなすといったことは非常に困難でしたが、プロジェクト・リーダーとして、チームメートの士気を気にし、高めながら取り組むことでチーム全体の士気を下げることなく、最後の提案までプロジェクトを駆け抜けることができました。プロジェクトリーダーとして、7名7カ国(ドイツ、スペイン、コロンビア、レバノン、チリ、日本、ブラジル)から構成されるチームをオンライン・ワークの中でリードし、自身も納得ができるレベルの成果物を残せたことは今後のビジネスパーソンとして叩いていく中での大きな自身・財産にすることが出来たのではないかと考えております。今後もVUCAが唱えられている世の中で、今回のようなラディカルな変化があるかと想定されますが、今回の経験を抽象化し、変化の時代に対応できるスキルを今後とも発揮していきたいと考えております。

2点目に、多様なバックグラウンドを持つ人間と対等にビジネスで戦っていく力を身につけることが出来たことがあります。私が学んだ学校の学科には、30カ国近くの世界トップ100の大学から集う学生が集結しておりました。その中で私は、入学から3、4月まで非常にグループワークでの立ち回り等に悩んでおりました。というのも、英語力がやはり世界トップクラスの学生の中であると明らかに劣ることであったり、発言量が全体的に多い欧米の学生が学生のメイン層であったりすることなどから、グループワークで発言をして、リードしていくということが難しかったです。しかしながら、自分が出来ないことは承知しながらも、自らプロジェクトのリーダーやると言って手を挙げることを通じて、自身をあえて人の真ん中に立つポジションへと立候補していきました。つまり、自身を厳しい環境に追い込み、大変な環境下の中でも、私自身を何かしなければいけない状態へと追い込んでいきました。具体的には、深夜の2時まで、プロジェクトについての理解を誰よりもすることで、知識量で他者に圧倒するなど、価値の出し方を見出すことに勤めるなどをし、リーダーとしてチームをリードできる状態に自身を持っていくなどをしました。それもあり、英語力やコミュニケーションを円滑にするための力が乏しかった私ですが、仲間からの信頼を獲得していくことができました。そして、プロジェクトの最後には、チームメンバーからたくさんの褒め言葉をもらうことができました。この経験は、ビジネスマンとして、今後起きることが確実視される多様な人間が集まる集団の中でパフォーマンスを発揮していくという場面での活躍に結びついてくると確信しております。

このように、非常に苦しい環境の中での生活ではありましたが、世界で戦っていける力を、努力を弛まないこと、精神的に諦めないことを実践することで高めることが出来たと考えております。これも、奨学生として選出してくださった飯塚育英会のご支援のおかげであると考えております。帰国までの期間、お力をお貸しくださり、誠にありがとうございました。卒業予定の10月までの期間で修士過程で学習したことを実践に移すインターンシッププログラムが日本で続きますが、バルセロナで培ってきた力を利用し、集大成を飾りたいと思います。

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