奨学生の声

Voice

2017年度 海外留学支援奨学生 小池加奈恵さん

サセックス大学(University of Sussex)/イギリス
町の様子と学校
サセックス大学前で本人

サセックス大学前で本人

私が留学していたサセックス大学は、イギリスの最南部のブライトンに位置しています。ブライトンは海に面している観光都市のひとつです。夏には他国からの修学旅行で来た学生も多くみられます。また、人種も多様で、差別等も少なく住みやすい環境でした。町の人もみな気さくで、休日には町のパブから明るい笑い声が聞こえてきます。勉強でつらい時も多くありましたが、ブライトンだったから乗り切れたと思います。

またブライトンにはサセックス大学以外にももうひとつブライトン大学という大学があり、学生が多く、活気づいています。

サセックス大学は24時間空いている図書館のほかに、私が所属している研究機関にも学習スペースがあり、活用していました。学生もとても多国籍で、キャンパスをあるくたびにその多様性に感心していました。

生活
コースメイとトパブにて

コースメイトとパブにて

サセックス大学はブライトンの町からバスで30分ほどの場所にあります。私が住んでいたのはちょうど町と大学の間で、どちらへも15分程度で行ける場所にありました。学校が管理している一軒家に同じ大学の生徒3人と住んでいました。家はとても広々していて、また、住宅街ではあるものの静かだったので、勉強に集中できる環境でした。

ハウスメイトは全員、私と同じ大学院生でした。イギリスは修士課程が1年間なので、課題や勉強の量は本当に多くてつらかったのですが、共に嘆き、また励まし合いました。中でも一番仲の良かったインド人の女性とは、お互いの論文のアイディアについて意見を出しあったり、キッチンではいつもささいな話でたむろしたりと、とても濃い時間を過ごしました。

学習

授業は週に3、4日ほどですが、毎回出される課題の量がとても多く、土日関係なく毎日勉強漬けの日々でした。授業は講義とセミナーで構成されており、講義の内容をセミナーで議論し、理解を深めます。私は、サセックス大学に併設されている「国際開発研究機関」という研究機関に所属していたので、講師はみな研究員であり、現場での経験が豊富な方々でした。実際に発展途上国での経験に裏付けた講義内容はどれもとても興味深かったです。

私のコースは国籍やキャリアが異なる人々がほとんどでした。25名のコースメイトで国籍は12か国にまたがり、非営利団体で何年も勤務していた人、国連での勤務経験がある人、メーカー企業での勤務していた人などもいました。セミナーのディスカッションの中でそのような多様性の中から自分とは違う考え方や視点にふれた時、留学ならではのおもしろさを感じました。そして、そのような環境の中で私も自分の感性や価値観を磨くことができたと思います。

しかし、多様性の中で学ぶことでの大変さもありました。1学期末に行われたプレゼンテーションは留学生活の中でも特に印象に残っている出来事です。私たちのグループは国籍も背景も異なる5人のメンバーで構成されていました。「みんなで協力して高得点を採ろう」と意気込んでいたものの、いざ準備を始めてみると、ミーティングに参加しない、決められた課題をやってこない、など数々の問題が生じました。しかし、それでもなんとかコミュニケーションを増やし、互いにモチベーションを高め、最終的は全員が納得する内容に仕上げることができました。そして私たちのチームはコース内で最高得点をとることができました。本番1週間前に意見がまとまっていなかった際は本当にどうなるかと思いましたが、みんなで朝から晩まで学校にこもり、準備した光景は忘れられない思い出となりました。

留学を振り返って

貴団体のおかげで、1年間とても学びの多い日々を過ごすことができました。本当に心から感謝申し上げます。1年間国際開発の分野を学び、現在は発展途上国への関わり方を模索している段階です。学んだ内容の中でも、デジタルテクノロジーの国際開発の貢献への可能性に大変関心があり、まずは企業で社会の構造を理解しながら、ITスキルを習得しようと考えています。今後もこの留学の経験を活かして、日々学び、成長しながら、発展途上国及び、日本社会の発展に貢献する所存です。

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